病気を学ぶ

パーキンソン病とは?

主に、体の動きに症状が現れる神経の病気です。
症状・進行・非運動症状について、分かりやすく解説します。

What is Parkinson's Disease?

パーキンソン病とは

脳が異常をきたし、体を動かすために必要な信号を送る物質であるドーパミンが不足してしまうことで様々な運動症状が出る病気です。50代以降での発症が多く、加齢とともに発症率が高くなることが知られています。原因はまだ完全には分かっていませんが、症状を適切に管理しながら、長く自分らしい生活を続けていくことができる病気でもあります。

パーキンソン病患者数の推移グラフ
約1,190万人
現在の世界の患者数
2021年推計
約2,520万人
2050年の予測患者数
2021年比 約112%増加
89%
患者増加の最大要因
高齢化による影響

出典:Su D, Cui Y, He C, et al. Global, regional, and national burden of Parkinson's disease, 1990–2021, and projections to 2050. BMJ. 2025;388:e080952. https://doi.org/10.1136/bmj-2024-080952

Motor Symptoms

代表的な運動症状4つ

パーキンソン病には4つの代表的な運動症状があります。これらが複合して現れることが多く、症状の現れ方は人によって異なります。

無動のイラスト
SYMPTOM 01

無動

動作、日常の動きのひとつひとつが非常にゆっくり、小さくなります。「歩くのが遅くなったね」「歩幅が狭くなったね」「腕が振れていないね」など、他人に言われて気づくことも多いです。動きにくくなることから、活動する範囲が狭まってしまい、筋力低下や体力低下を感じることもあります。

振戦のイラスト
SYMPTOM 02

安静時振戦

座っていると手足が震えたり、テレビを見ている時や体の力を抜いた時など、安静時に手や足に細やかなふるえが起こります。発症初期には体の片側のみに現れることが多いと言われています。動いている時にはふるえが止まることが多いのが特徴です。

固縮のイラスト
SYMPTOM 03

固縮

関節が硬くなってしまったり、腕や足、体幹の筋肉がこわばってしまうことで、自分でスムーズに体を動かすことが難しくなります。初期の段階では自覚症状があまりなく、診察によって見つかることが多い症状です。医師が関節を動かそうとするとカクカクするような抵抗が見られます。

姿勢反射障害のイラスト
SYMPTOM 04

姿勢反射障害

転びやすくなってしまったり、体のバランスが悪くなり、体が傾くと元の姿勢に戻りにくくなることがあります。たとえば引き出しや冷蔵庫の扉を開いた時にそのまま倒れてしまうことなどがあります。ある程度病気が進行してきた時に出やすい症状です。

Progression

症状の進行と重症度基準

パーキンソン病の運動症状の多くは左右どちらかの片側から現れます。進行はN型に進むとも言われており、右手に出た場合は右足→左手→左足の順番です。ただし、進行の具合は一人ひとり個性があり、人それぞれです。

最も広く知られているのが「ホーン・ヤールの重症度分類」です。運動機能の程度に応じて1〜5度の5段階に分類されます。

ホーン・ヤール重症度分類の図
1度
片側に症状
体の片側の手足に症状が見られる。日常生活への影響はごく軽い段階。
2度
両側に症状
体の両側の手足に症状が見られる。多少の不便はあっても、日常生活は通常通り行える。
3度
活動がやや制限
歩行障害や姿勢反射障害などが見られる。活動はやや制限されるが、自立した生活が可能。
4度
介助が必要
体の両側の手足に強い症状が見られ、自力での生活が困難。介助を要することが多い。
5度
車椅子などが必要
立つことができなくなり、車椅子での生活や寝たきりになる。全面的な介助が必要。

※ 重症度分類によっては国の保障制度が異なりますので、主治医に確認しておくことをおすすめします。

Non-Motor Symptoms

運動症状の陰に隠れた、非運動症状

パーキンソン病は「体が動かしにくくなる」運動症状が注目されがちですが、実際には睡眠障害・便秘・嗅覚低下・うつ・認知機能の変化など、多岐にわたる非運動症状が同時に現れることが知られています。

研究によれば、これらの非運動症状は運動症状が出るより約20年前から始まっている可能性があります。まさに「氷山の一角」——表面に見えている運動症状の水面下に、より広範な非運動症状が潜んでいるのです。

非運動症状は日常生活の質(QOL)に大きく影響します。疲れやすさ・気力の低下・睡眠の乱れといった症状は、本人だけでなく介護する家族の生活にも影響を及ぼします。運動症状と同様に、非運動症状についても主治医や専門職に遠慮なく相談することが大切です。

非運動症状の氷山モデル

※ 全ての方に全ての症状が出るわけではありません。気になる症状があれば、主治医にご相談ください。

Next Step

薬物療法・運動療法・手術療法について詳しく知る

パーキンソン病の治療方法について、各療法の詳細を「治療を学ぶ」ページで解説しています。

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